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海の上のピアニスト

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力を入れすぎないblog  それなりに暮す毎日

2005年 11月 14日 ( 2 )



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早朝、電話に起こされた。「愛人/ラマン」について知人からの物だ。

主演女優のジェーン・マーチは、この映画の撮影中、毎日辛くて
泣いていたという物で、知らなかった私は驚いた。

ジェーン・マーチは、1973年にロンドンに生まれた。
私が観たのは、1994年の「薔薇の素顔」とこの作品だけなのだが、
スリムなボディに、SEXシーン全開で、こういう路線の女優なのだと
思っていた。

「愛人/ラマン」の時には、19歳でその若い、まだ若い薔薇のつぼみの
様な心の頑なさを感じた。

<そうか~、ジェーンは辛かったんだ~>
自分が裸になるのが辛かったのか?
マルグリットを思って辛かったのかは解らないが、辛いという感情を
持ち続け撮影に望んでいるとしたら、それは、何処かに現れていただろう。

退廃的な時代や風景の中だったかも知れないし、ラストの船の上のシーン
だったかも知れない。

「薔薇の素顔」はサスペンスで、ブルース・ウイルスを悩ませる悪魔の様な
女を演じる。

いつでも、心の内を顔には、表さない。

*     *      *      *      *


「辛い!」そう言って、Kは4年前に亡くなった。
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まだ、高校生だった。

Kの母親は教育者で、私の知人だった。
今でも、時々、会っている。

Kは中学の時から、登校拒否になり、高校は通信制にしていた。

中学の時には、一人でもイギリスやアメリカのホームスティを経験する積極性
があり、哲学書を片っ端から読み続けたりしていた。

「お母さん、もう、疲れたよ!」
と言って、最後の1ヶ月は、ペットボトルのスポーツ飲料しか、飲めなくなっていた。

そして、衰弱死に至った。

「衰弱死」これが、Kの死因となった。
私はスイートピーの花束を捧げた。(白とピンク)

スイートピーの優しさが、Kの元気な姿とダブった。


Kよ!
貴方が可愛がったり、ストレスからあたったりしたゴールデン・レトリーバーは
今も元気に暮らしているよ。

背中には、貴方の残した哲学書が積める程だ。
太っていて、私は「ダイエットしないと、成人病で危ない!から・・・・」と
言っている。
正しく、「哲学犬」なのだ。
静かに、Kを取り囲む時間を、共に生きた犬。


お母さんは、貴方が去ってしまった後、3年間、安定しなかったけれど
今は元気になった。
相変わらず、美しいよ。
そして、「すでに、亡くなっている医師の父親が、今はKを守っている」と言う。


辛く、疲れた時期を、Kよ。
貴方は土の中の球根のように黙って暮らしてしまった。

明るいスイートピーの如く、風に吹かれる事もなく・・・・・・

私はこうして書いている。
そして、忘れまいと思う。

こういう時に流れる涙は、誰にもぬぐえない。




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by sea1900 | 2005-11-14 14:20 | 現在


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デュラス/ジェーン・マーチ
青年/レオン・カーフェィ                
d0063550_1124954.jpg監督/ジャン・ジャツク・アノー

1984年、マルグリット・デュラスは70歳で「ラマン」を書いて、ベストセラー
となった。彼女は50年にも及ぶ著名な作家だったが、この作品は、彼女が
15歳の時に,フランス領インドネシアで生まれ、15歳で金持ちの中国人青年
との最初の性愛経験を描いている。

「18歳で、わたしは年老いた」で始まるこの文体、そして映画は、彼女を語る
物だ。
映画では、全編に甘く切なく、ロマンティックな物がある。
インドシナの退廃的な熱さや、メコンの雄大な流れが、かえって切ない。


マルグリット・デュラスは1914年に、このインドシナで生まれ、4歳の時に
父親に死に別れ、植民地に於ける、最低の白人の暮らしをした。
母に愛されず、下の兄とタブーを犯す。

そして、売春。
性的快楽と淫らな欲望の世界に入る。

ランドセルを背負いながら、金を貰う日々を送る。

「愛していない」お金の為なのだ!と思い、実は「愛していたい」
どうしようもない刹那さが苦しい。


映画では、彼女の精神面には、さほど介入していない。
それを、彼女は良く思わなかったようだ。
彼女はシナリオ製作に留まらずに、何本もの映画を手がけた監督でもある。
但し、日本未公開。


彼女はフランスに向かう船の上で、泣いた。
それは、ショロンの男を思って、愛していた事に気づいて泣いたのだった。
愛が見えない事だってある。
男は高級車の中から、女を見る。


彼女はそういう風に成長した自分に気づいたからとも言える。

    *    *    *    *    *




デュラスは、フランスの戻ってからも多くの愛人を作り続ける。

66歳の時に、ヤンという38歳下の大学生から、5年間もの間、手紙が来る。
彼女は取り合おうとしない。

しかし、それから、彼女が死ぬまでの16年間、一緒に暮らす。

66歳と言う年齢を考えると、肉体関係は無いと思ってしまうが、会ったその日
にヤンは、異様な性的快楽を知るのだった。


彼女は、いつだって真剣。
どんな事があっても諦めない。

世界的に有名な女流作家と若い男。

わがままなデュラスとそれに従うヤン。
2人の激しいぶつかり合いが、お互いに命を繋いでいたのだろう。

ヤンは初めての愛を知り、デュラスは70歳を越えて、
更に大ベストセラーを産んでいく。


そうよ、インテリは何でも上手だわ。

本を書くのも、料理も、庭仕事も、セックスも・・・・」

ーーーーーー愛人/ラマン 最終章ーーーーーー


普通の女性は、自分よりも28歳年下の男性を、異性として、考えない。
しかし、それが出来るという事には、ものすごいパワーを感じるし、
羨ましくも在る。

ヤンは何度も別れようとしたけれども、出来なかった。
それは、きっと、どこかがしっかりと繫がれていたのだと思う。

運命的な出会いは、その後の運命さえも変えていく。

しっかりと結ばれている2人には、常に前に進む道しか生まれないのだ。


物凄いパワーで,駆けていった人生。
売春ではなくて、そこには、「愛」が存在していた。



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by sea1900 | 2005-11-14 00:49 | 映画