私も嫌いだった。
《ショーン・ペン》
あの顔がいやだった。あの名前もTさんと同じ理由で、いやだと思っていた。
ところが、1993年、『カリートへの道』、これはビデオで観たが、良かった。役にのめっているなんて物ではなく、役そのものの彼がいた。この性格がショーンだと、疑う余地の全く無い演技にぞっとした。素晴らしい!『デッドマン・ウオーキング』これも、この悪党がショーンそのものだと思わせてくれた。『アイアムサム』2001、前作同様、これが本人200パーセントだ!と思った。目が小さくて抜けたような顔がサムと上手にMIXして、よりリアルだった。勿論、ダコタのかわいらしさと上手さもサムを支えていたが、やっぱり、ショーンが素晴らしい。
友人の20代の男性はあまり映画を観ないのに、この『アイアムサム』は観ていた。彼は、<この人は、本当の障害者だ>と昨日まで、私に教わるまで信じていたのだった。
『ミスティツク・リバー』『21グラム』とにかく、上手い。上手すぎて、怖くなる。
一つ間違えば、狂気の世界にまで飛んでいってしまうようなすさまじさがある。素晴らしい個性のある人間だ。
薄っぺらではない人間が私は好きだ!
《ダニー・デビート》
デブ・はげ・ちび・と本当にこの人が俳優か!と思った。しかし、美人、美女だけではつまらないが、アメリカ人は皆長身でカッコいいと思っていたのが間違いだった。
《ロバート・デニーロ》
ディア・ハンターでみせたタフガイのイメージがトラウマのようになっている。クリストファー・ウオーケンならば、あの繊細さのある眼が忘れられずに、きっとそばにいてあげたいと思う。しかし、何処で何をしても一人でも、キチンと3ど3ど、食事をしていつも元気に生きて行ける人だと思うと勝手にしろ!と言いたくなる男だ。
おまけに、私はこれを観なければ良かったのだが、TVで、河合俊一氏が「前、ラスベガスでロバートを見かけたが、取り巻きのオネエちゃんを5,6人連れていて、10ドル負けたら、すごく悔しがっていて、理解できなかった!あの世界的な俳優がなぜ、10ドル位で・・・」と言っていた。
余計に、嫌になっていた。
しかし、やはり上手い!賛美するにふさわしいと思う。
メリル・ストリーブの事を前に書いたが、これは「この女優が嫌い!だった」と書こうとしていたのにいつの間にか、褒め称えていた。
外見や直感なんて、なんてあてにならない物なのか思い知るのも、また、楽しい。