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海の上のピアニスト

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『絶対の愛』

キム・ギドク監督の『絶対の愛』を、昨日の早朝に観た。
そして、その重さと疲れに一日を過ごす事と成ってしまったのだ。

キム・ギドク監督の一筋縄ではいかない話の展開には、最初は新鮮さや面白さを感じる方も多いと思うけれど、終盤は救いのない暗さや絶望感のあり地獄に突き落とされてしまう。

その絶望感に浸った時のヒロインの狂気を表す事が、キム・ギドク監督にしか出来ないのだと思う。

美容整形大国の韓国という背景は、簡単に自分を変える事が出来るチャンスを与えてくれる訳で、日本人から観ると、まだまだ他人事だろう。
 お国柄というのは不思議な物で、実際、韓国では小学生にも美容整形をさせる親もいるようだ。

ごく普通の若いカップルが、交際2年も過ぎると自然にぶつかる壁に、ヒロインは美容整形をして、名前も変えて彼の前に現るが、彼の心の中に生きている元の自分に嫉妬し、悩んでいく。

『絶対の愛』という幻を追い求めたゆえに、逃げ場がなくなり、『狂気』に走るヒロインの姿には、めいっぱいに生きる女の精気さえ感じてしまう。

『愛の限界』を見極められなかった罪なんかあるはずもないし、結果としてこうなっただけの事だと思うけれど、非情な残酷な話だ。

人間の奥底にある残酷さを、これでもかと監督は生活の中に持ち出して、
最後には、観た人に判断をゆだねている。
 

非情に面白い映画でもあるし、重い。
正直な人間にしか作れない映画でもあると思うし、人間の頭脳と心のバランスを常に考えている作品だと思った。

商業ベースの韓国ドラマに対して、しっかりとした主張のあるキム・ギドク監督の映画の面白さを観る結果となったが、作品の中に度々映し出されるペミクミ彫刻公園の面白さはとても新鮮で、独特のセクシーさが良い。
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by sea1900 | 2008-05-26 00:41 | 映画