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海の上のピアニスト

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コミック『岳』を読んで


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コミック『岳』を読み終えた。発売されている3冊は、文字通り『山』を描いている。
読者に伝える役目は、ボランティアで山岳救助をしている島崎三歩という青年で、日本アルプスを基点にしている。
一話づつの完結で、非救助者が助かる時と助からない時があるのに、そこに焦点がなくて淡々としている様に思えた。
それは、大自然に包まれた人の命の終わりを見続けた人の見方でもあり、島崎三歩が主役では無い事も示している。
あくまでも『山』を描いている。勿論、色々なケースを盛り込んではいるけれど、そこに感情移入をする事は無かった。

過去に私が北アルプスの夏山を縦走した時に、山に登った人にしか見えない表面的な山の美しさはそれまでの疲労を拭い去った。
澄んだ空気や風が、それまで埋もれていた人間の感覚を呼び起こしにかかった。
大自然の前で初めて人は『謙虚』さを実感する。
そうなると、命さえ落としかねない登山で、逆に不必要な感情を捨て去る事に走るのだろう。

生・死・登る・降りるという単純な事しか選択出来ない登山は、人の人間としての感情を図るようだ。そう思うと、三歩の一見単純そうな明るさは、山から得たのだと思えた。

遭難については、現実にあった事柄を参考にしている所がある。


読んだ後で、なぜかすがすがしささえ覚えるのだった。







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by sea1900 | 2007-03-17 22:52 | 自然