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海の上のピアニスト

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「ふたりの5つのわかれ路」

オゾン監督は何故かはっきりした答えを自分では出さないで、観客に委ねる。
委ねられた観客の自由な発想が、どこまで監督の考えの範囲なのかと思ってしまう。

この映画は、夫婦の出会いから離婚までを、時間を逆にして5つのショートとして描いている。
もしも、これを普通の時間の流れとしていたら、また、別の見方をしたのかも知れない。


観たのはおとといの夜中だったので、時間が少し経ち、もう一度考えてみるとその時には見えなかった事が見えてきたのだった。
<ふたり>と言っても、女はごく普通の女で、問題は男にあった。

男は潜在的な同性愛者なのに、それを認めたがらない。あるいは、認めないのだ。
妻が子供を産み、その父親が自分ではないと感じて、それが原因になっての離婚だとしたら、普通のお話で、悲劇的な男の話に終わってしまうだろう。

根本的に女性を愛せないのだから、心から満足出来ない男が主役だと考えると、納得出来る。
この男は離婚後にも女性との恋愛を重ねるだろう。(現に恋人の存在をほのめかせていたけれど)何時になったら、自分に素直になるのだろうか?
素直になれないのならば、不幸が続くだけなのだ。

謎解きの5つの話の時間を逆にする事で、何度か前の話を振り返りながら、この5つの中にある共通の物を探り当てる事が出来た。
時間の流れは、時として人の目を惑わしてしまう。それは、<先入観>が事実を見せなくなるのだろうか?

「僕を葬る」や、さっき見終わった「まぼろし」は、同じ監督の作品ながら、心に残るが、それは<解りやすい映画>でもある。勿論、名作には違いないけれども。。。。

表面だけではつまらない映画だけれど、さすが、オゾン監督の作品だと思った。
サスペンス仕立ての流れは、最後には海に放たれている。

フランスではこの映画はどう受け止められたのだろうか?
ヨーロッパでは如何だったのだろうか?







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by sea1900 | 2007-01-07 02:50 | 映画