ブログトップ

海の上のピアニスト

sea1900.exblog.jp

力を入れすぎないblog  それなりに暮す毎日

『 カサノバ 』

  
d0063550_2227282.jpg

『恋愛至上主義』を貫いた男、カサノバの恋は、18世紀のヴェネチアを舞台に尼さんから、娼婦、宮廷にまで及ぶ。

「僕は誘惑しない、
  誘惑されるんだ。」

そんなセリフが、自然と似合うヒース・レジャー演じるカサノバは、尼さん相手にベッドにいるが、その部屋を出ると、他の尼さんにも誘惑される。枢機卿に愛人がいたりと、当時は随分と、聖職者と呼ばれる人達も、おおらかな生活を送っていたようだ。
どこに行っても、女が彼を放さないのだから、それだけの魅力があるって事なのだけれど、ラッセ・ハルストレム監督は、それをコメディにしたのだ。少し、ひねりも効かせている。

こんなに面白くて、絢爛豪華で、ストーリー、俳優、セリフ、音楽、と、どれもバランス良く、組み合わされ、とにかく笑える映画は、他には無いと思う。

ヒース・レジャーは、甘い雰囲気で、お茶目なカサノバがとても似合っていて、多くの恋のラストには、一人のフランチェスカを選ぶと言う、繊細さが、面白かった。

時代物は、何といっても、衣装やロケーションの正確さや、美しさが大きなウエイトを示すが、それらを包み込む音楽は大きいと思う。

数々のバロック音楽も取り入れられていて、それらが荘厳な響きを放ち、素晴らしい。
迷わず、サントラ盤を購入し、今も聞いているが、曲自体の力が、作品をまとめている事が、よく解る。

仮面舞踏会でのシーンは、このまま、きれいに終わるのかと思ったら、テーブルの下に隠れていた豚(?)のいたずらが面白いし、ラード王のデブと、フランチェスカの母親がゴンドラの片方に寄ると、ゴンドラが三日月御月さんの様に、ひっくり返りそうになったりと、笑いがいっぱいだった。
しかし、仮面の中と外との思いは、怪しげな空間を作るし、どこまでも美しい。
当時のベネチュアは世界的な、貿易国家だったので、時代の最先端を担っていたのだから、カサノバはスタイリッシュだと思う。


フランチェスカの母親役は、レナ・オリンが演じていて、50歳なのに、むしろ、フランチェスカよりも、美しかった。レナ・オリンは、何と言っても『存在の絶えられない軽さ』が印象的だったが、こんなに明るい役も、似合っていた。レナ・オリンはラッセ監督婦人。

フランチェスカの婚約者として、ベネチュアにやって来たラード王の、パプリッツィオが、カサノバの嘘に引っかかり、おかしなエステをしたり、牢屋で拷問(軽いもの)を受けるシーンは、全部コメディとして、最高だった。

とにかく素晴らしいロケーション、衣装、お話、音楽、そして、笑い!

ラッセ・ハルストレム監督は、『ギルバート・グレイプ』『ショコラ』『シッピング・ニュース』
『サイダー・ハウスルール』と言う作品も生み出しているが、『カサノバ』は、集大成のようにも思えた。



→クリック御願いします。
[PR]
by sea1900 | 2006-06-22 22:24 | 映画