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海の上のピアニスト

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『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』


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この映画の原作は戯曲で、ピュリッツアー賞やトニー賞、数々の賞に輝いた舞台の
初完全映画化だという。

アカデミー賞に輝いた『恋におちたシェイクスピア』から7年、ジョン・マッデン監督と
グウィネス・パルトロウが、再び、tryした作品。

天才数学者で、一週間前に亡くなった父親ロバートを、アンソニー・パーキンス、
彼の教え子ハルを、黒い髪、濃い黒眉のジェイク・ギレンホールが演じている。

アンソニー・パーキンスは、既に名優ではなくて、個人的には怪優だと思っている。
それと、妹キャサリンに愛情はあっても、検討違いの愛をしつこく注ぐ、ニューヨーク
で成功している姉クレアをホープ・デイヴィスが演じている。

ほとんど、この4人の会話で繋がっていて、確かに舞台で演じたとしても、なるほどと
うなずける。
4人の演技力のバランスが、それぞれに違ってはいるが、全体的には上手く融合
している。

ロンドンで、ジョン・マッデン監督は、グウィネスを主役に迎えて、舞台でも上演し、
大絶賛を浴びている。
舞台経験者の演技は、存在感に違いが在ると思う。
人間を相手に演じた場合と、カメラを相手に演じた違いではないだろうか?


『小さな親切、大きなお世話』だと気付かないクレアは、既にキャサリンとは、人間が
違っていた。
『人間が違う』場合は、その説明をしたところで、耳には入らない物だ。


父親は天才だが、ここ5年間は、統合失調症(昔は、精神分裂症と言っていた)で、
キャサリン(グウィネス)が大学を中退して世話をしていた。

葬式の時に、予定外にキャサリンは壇上で、「こんなに多くの友人がいたなんて、
この5年間は何処にいたのよ!」と叫ぶが、統合失調症の患者を世話するのは
大変だったはずなので、お金だけの援助をした姉にも、心を許せないでいる。

アンソニー・パーキンスは元々、変人として有名だが、それは、役への執着が、
その時、その時に集中して、仕事は仕事と考えている為なのかも知れない。

私はアンソニー・パーキンスの演技を一番、期待していたが、一作毎に、全く違う
表情を見せて、新鮮な驚きを呈してくれる。
役者の中の役者だと思う所以だ。


父親の死後、ハルが一冊のノートを見つけ、ロバートの証明(proof))だと信じ込むが、
キャサリンは自分の証明だと言う。

proofの発見は、ロバートとキャサリンの過去の生活が鍵となっていた。
過去と現在が交錯して、キャサリンの孤独、失望、父への愛が浮き彫りにされる。

父親から観れば、自分の天才的な脳を継いでいたのは、姉ではなくて妹だったの
で、小さい時から愛情を注いでいる大切な存在。

筆跡も父親とキャサリンは似ているので、どちらが書いたproofなのかが、判明しない。

キャサリンは父の病気が自分にも、遺伝するのではないかと言う、恐怖を抱えている。

心の奥深い所で、複雑な感情を持つキャサリンを、理知的な雰囲気のグウィネスが、
全身全霊で演じている。
<上手くなったな~>と感じ入った。


グウィネスの演技で好きなのは、「エマ」や「大いなる遺産」だが、この作品の中の
心に沁み込むような表情を見せる彼女は、これまでの演技には見られない「女優」を
感じさせてくれた。

proofは、生前の父親との最後のシーンで明らかにされるが、まさか・・・と思える展開
だった。
こうして、キャサリンの心の奥に、しまわれてしまったproofは、ハルと言う恋人を作る
事も出来た。
だから、ラストはすがすがしい。

この話しでは、特に父親と娘の愛とその葛藤が、描かれている。

同じ学問に執着出来ると言う、羨ましい事でも有ると思う。

大学は、シカゴ大学が使われていて、とても美しいが、
シカゴ大学には優秀な数学の学部があり、アメリカで唯一、数多くのノーベル賞受賞者
を出した大学だと言うのは、この映画と縁があったのだと思った。


      。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


この映画を見る前に、余ってしまったチケットを知人に渡し、
使って頂きたいと思っていたが、映画の展開によっては、

『小さな押し付け、大きな迷惑』と成ってしまう事を懸念して後悔もしていた。

しかし、その懸念も、無用だった事が解り、ほっとしています。

                          めでたし       





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by sea1900 | 2006-01-21 02:16 | 映画