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海の上のピアニスト

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『綴り字のシーズン』



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実は、さほど期待しないで観た映画だった、

上手く行っていると思えた家族と言う絆が、実は何かをきっかけとして、
ボロボロ状態だった事が発覚し、修復には力を必要とするという話は、
よくあると思う。

ナウマン家の父ソール(リチャード・ギア)は、カバラの学者(ユダヤ教
の思想の一種である神秘主義)で、カバラと11歳の娘、イライザの
スペリング・コンテストでのシーンが縦軸と成り、家族の崩壊と再生が
描かれている。


家族とは、肉親と他人の集合体なのだから、それを永く持ちこたえる為
にはお互いの思いやりや、協力、そしてそれぞれの自由が必要だと思う。

その点、ソールは、普通の父親であって、特別に短所があるとは思えない。
この世には、完全な家族はありえないし、少し位、歪んでいても良いと思う。

思春期の兄、アーロンがヒンズー教に走った所で、それは、父親の
信じる宗教への反発であり、父親への反発でしかないのだろう。

自分に注目して欲しいと言う子供っぽい発想と言う、程度の事。
ラストのシーンで、それは良く解る。

母親(ジュリエット・ビノシュ)は、両親が事故で亡くなった時の事が、トラウマ
となり、軽犯罪を犯し、入院するが、創られ過ぎた感じがした。


家族の崩壊を創り、イライザのスペリング・コンテストの一文字が家族を救う
とは、考えすぎる物。

父親の期待を、わざと外す事で、父親も母親も兄もが、家族を思い返す。


商業ベースには乗れない映画で、単館向きなのだが、何が良かったかと
になる。

そして、やつれきったジュリエット・ビノシュや、リチャード・ギアの加齢を
尻目に、イライザ役のフローラ・クロスの冷静で、家族への思いやりのある
眼が良かった。

文字に集中しているフローラの聡明さは、いつまでも心にある。

割れたガラスからの光は母の心への光でもあり、万華鏡の世界は、
一つの事柄から、膨らませる事の出来る可能性への展開では
ないだろうか?

万華鏡からのメッセージは、大きいと思った。



スペリング・コンテストとは、きっと人と人とを繋ぐ、ス・ペ・ルだと思う。

人は人と繋がる事を望み、言葉と繋がる事を望んでいる。

宗教とか、哲学とかをかなり含んだ作品で、観た人の心に深く問いかける
物があるのだが、表面だけ見ていると、とてもこの映画の良さは解らない
のだと思う。










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by sea1900 | 2005-12-28 02:25 | 映画