リトルダンサー
映画の中には、父親と息子の愛情を描いた作品も多く、母親と娘の愛情
物よりも感動する事がある。
母親と言うのは、赤ん坊を実際に自分の体を通して体感して、子宮の中で
暖め、此の世に送り出している。
育てる事は親の義務なのだが、こういう流れの果ての育児なのだから
当たり前だし、違和感も無いだろう。
しかし、父親というのは、10ヶ月の後に急に赤ん坊の顔を見るわけだから
母親程の実感は沸かないのが、自然なのかも知れない。
がから、あくまでも育てる過程で、子供を愛おしく思っていくのだと思う。
1984年、ストライキに揺れるイングランド北部の炭坑町で暮らすビリーは
おばあちゃん、父親、兄と暮らしていて、父親と兄は,鉱山労働者で未来が
見えない。
ビリーは週1度のボクシングよりも、バレエを選んで、父親には内緒で習う。
ロイヤルバレエ学校のオーディションを最初は、受けられないが、最後には
父親が理解を示して、無事に受ける事ができる。
ビリーが外に出て、踊りまわるシーンがきれいで、開放された喜びが伝わる。
軽やかな、タップダンスが、さわやかに続いていく。
イギリスの階級制度は、ホワイトカラーとブルーカラーとがそれぞれに生き
続けて自由が無いと思う。
そんな中で、15年後に、父親の見守る舞台で、世界的なバレリーナに
成長したビリーが、すばらしい跳躍を見せる。
好きこそ、物の上手なれ!
子供も未来は無限で、夢がある。
踊りたい、弾きたい、描きたい、学びたいと思う事自体が、才能なのだ。
子供の将来を決めるは、心温かな親の愛情なのだと思う。
父親の「自分には将来が無い。しかし、ビリーは違う・・・・」と思い直し、
ビリーの為にオーディション費用を捻出する姿には、ビリーへの愛情を
ひしひしと感じる。
やはり、与える愛は、受け取る愛よりも、大きいと思った作品だった。
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