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海の上のピアニスト

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力を入れすぎないblog  それなりに暮す毎日

『エリザベスタウン』


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エリザベスタウンとは、アメリカ南部ケンタッキー州ルイヴィルから、
264号線を走り、60B出口で降りた所にある小さな町、エリザベス
タウンの事で、古き良き時代のアメリカの田舎町と言った、佇まいを
見せている。

オーランド・ブルーム演じるドリューは、スポーツシューズの開発の
大失敗で、会社に10億ドル近い損害を与えてしまい、自殺しようと
するが、その方法も子供じみた可笑しい物で、ほとんどコメディだ。

確かに、悲壮感も責任も感じられずに、ひたすら淡々と描かれている。
けれど、そんな事はどうでも良いし、あんまり暗い話では、笑っては
いられなくなる。

大体、オーリーの甘い顔が暗くなるのは、似合わないだろう。

父親の死の知らせで、ドリューは、エリザベスタウンに来るのだが、
がら空きの飛行機の中で、客室乗務員のクレアと出会う。

クレアは、彼がいるのかいないのか、はっきりしないが、クレアに
因って、ドリューの人生観はリフレッシュされる。

かつて、女性の友人が「あんなにいい女はいない。ヤッパリ映画の世界
だけの話でしょう?」と電話して来たが、男だったら、こんなにいい女
を探して欲しい。
そして、チャーミングな恋をして欲しいし、明るく楽しく生きて欲しいと思う。

クレア役のキルスティン・ダンストは、「ヴァージン・スーサイズ」
「モナリザ・スマイル」「スパイダーマン」「チアーズ」で観ているが
「ヴァージン・スーサイズ」での4人姉妹の中では、とびっきり目立つ
存在だったが、「チアーズ」でやっと、主役がこなせる女優までに成長
出来たと思った。

ところが、この作品では、本当に主役を堂々と演じて、彼女以外には、
この役は合わないだろうとさえ、思わせてくれたのだった。


ドリューとクレアの、お互いを「埋める」事は、一つの逃げの様にも
思ったが、人間はそんなにも強くない。
お互いの傷を舐めあって、傷を癒しても構わないだろう。
凸凹を埋めて、それで、再出発したとしても、ラストが良ければ、それでいい。

あんまり難しく考えても、仕方無い事もある。



一つ一つのシーンは、大切に作られていて、ややもすると余計なシーン
なのかと思われる所も観ていると、笑いが止まらなかった。


お葬式のスピーチで、母親のホリーがスピーチをする。
ホリー役の、スーザン・サランドンは、哀しそうに涙を誘う物かと思うと、
とんでもない。
下半身の話が続いて、笑いがこぼれる。(微笑みではなくて、笑い)

習い始めたタップダンスを披露する辺りで、お涙頂戴が始まり、エンデエィング
かと思いきや、ドリューの従兄弟のジェシーが在籍するバンド・ラッカスが
『フリーバード』を歌い始める。

『フリーバード』ウ~~~~ン! 怪しい!と思ったら、白い鳥の人形がロープ
で移動している。
ジェシーがオトボケ顔だから、何かおかしな予感がしたのだが、案の定、
鳥が燃え始めていた。

こうなってしまうと、ホリーのタップで涙が出た私は、泣き笑いに成ってしまい、
顔がどろどろ状態と化した。

それで、スプリンクラーから、シャワーの様に水が流れ出して、クレアは
仕事柄、避難経路を確保している。

この辺は、全くコメディで、ばかばかしくも、楽しめた。
でも、笑っていたのは、私だけで、皆おとなしく見ているが、可笑しくない
のだろうか?と思ってしまう。

アメリカとは全く違うので、この映画のアメリカでの評判は、どうだったの
だろうか?と思った。

アメリカ人向けの笑いであるならば、日本人には理解出来ない点もある
だろう。
だから、海に撒くはずの遺灰が、ドリューの帰路に、各地でまかれたとし
ても、各地に感動したドリューの心意気と映った。

そして、ドリューは、父親を感じていたかったのだろう。

それは、右手にこぶしを作り、肩よりも上に上げて踊るしぐさからも解る。

ラストは宝探しの様な楽しみで、何が宝だったのかは、想像にお任せしたい。

ドリューという存在は、キャメロン・クロウ監督がオーバーラップしていて、
少しお茶目な俳優ならば、オーリーに限らなくても良いと思ったが、
頼りない雰囲気のオーリーだからこそ、よかったのだと思い直した。


人の人生には、何があるのか、解らない。
自分にとっても、この先何が待ち受けているのかなんて、解らない。

解らない事だらけの人生で、同じ、手探り状態の生き方をするのならば、
私は笑って、泣いて、そして、最後には大笑いをして生きてみたい。

心の旅路を歩いても良い。
きっと、何処かにたどり着く道でも良い。

生きている事を実感して、歩んで生きたい。
自分をさらけ出して、気楽にもなりたい。

そんな事を思いながら、エリザベスタウンからの優しい風が吹くのを感じていた。

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まつさん、
私は、この映画を観て、淀川長治氏の「映画って、良いですね!」と言う言葉を
思い出しました。
映画って、どうして素晴らしいのか知っていますか?

感動する心は、何よりの活力源であり、大きな力です。

いつもは、愛を伝えながらも辛口で、厳しい雰囲気のまつさんが、
『エリザベスタウン』の記事では、御自分のプライベートな部分を出して、
書かれましたね。


キャメロン監督は言いました。
「・・・・個人的な内容を書けば書くほどに、それが人々の心にふれることが
分かった。」と。

私もまつさんの心に少し、ふれたようです。(少し、怖くなくなりました)

そして、今日は、この映画が爽やかに心に残り、とても充実出来ました。





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by sea1900 | 2005-12-02 00:23 | 映画