ブログトップ

海の上のピアニスト

sea1900.exblog.jp

力を入れすぎないblog  それなりに暮す毎日

「ヴェニスの商人」

d0063550_351764.jpg



先週から気に成っていた「ヴェニスの商人」を、昨日の夜、新宿の高島屋で
観た。最近では、新宿での時間の使い方が身に付いてきたのが、嬉しい。
前は、新宿を嫌いだったのに、慣れて来たのだろう。

時代物の衣装や建物、内装等は、どれを取っても「観る」価値はある。
1596年、ヴェニスはヨーロッパの貿易都市として栄えた。

しかし、この時代はユダヤ人をゲットーに隔離している。キリスト教ではないし、
ユダヤ人の高利貸しは、キリストの教えに背くと言う理由だった。

シャイロック(アル・パチーノ)は人権問題から復讐を考えていた。
偏見に委ねられるシャイロックの姿をこんなにも重厚に重々しく、
アル・パチーノはやってのけた。
 
この時代の絹の衣装は、厳かに輝きながらも、シャイロックを、
更に孤高の人へと祭り上げている。

借金のかたに、保証人のアントーニオの心臓の肉1ポンドを貰うはず
だったシャイロックは、裁判官のとっさの機転により、逆に窮地に立たされる。

肉がぴったり1ポンドでなければいけない事や、一滴の血も出しては
いけない事。
現実的に、アントーニオを殺す事が無理に成る。

しかし、これは血の無い肉、つまりは肉体を意味していて、肉体関係を
意味していると大学で一年間、シェークスピアを勉強した友人に
説明を受けた。

ポーシャ(リン・コリンズ)の演技が冴えている。
ほとんど、世界的には知られていないリン・コリンズは、20代後半で、
これからの活躍が期待出来そうだ。

偏見、復讐、友情、恋、法廷などが、、16世紀の水の都、ヴェニスを優雅に
描きながらもシビアに展開する。


この時代を描いた映画「娼婦ベロニカ」でも、運河が生活の要であった事が
描かれていたが、この映画のラストシーンでは、シャイロックが浜辺にいて、
水が大きく彼を包んでいる。

ロケーション、衣装、建物が水と融和しているのは、ヴェニスの良さだと思う。


ラストの音楽も素晴らしく、女声の歌だったが、「カストラート」を連想して
しまった。
監督は私の好きな「イル・ポスティーノ」のマイケル・ラドフォード。

<シエークスピアの芝居は完璧ではなく、どんな隙間にでも入り込んで
再構成できるような柔軟な構造をしている。>と言われる。

という事は、自分の考え方一つで、何通りにも、楽しめるという事にもなる。

知性が人の命を救った話でもあり、ポーシャが現代的な女性にも思えた。

この作品に出会えて、良かった。



→クリック御願いします
[PR]
by sea1900 | 2005-11-29 04:05 | 映画