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海の上のピアニスト

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「きみに読む物語」と「アイリス」・「私の・・・」と「痴呆性老人の世界」


kyokoさんにコメントです。
2つの作品は、どちらも、痴呆症になってしまった老女の話で、
「きみに読む物語」よりも、私は「アイリス」の方が好きだった。
一人の人を愛し抜き、最後を看取るまで暮らすのは、愛情だけでは
なくて、理解を超えた妥協がなければやっていけないものだろう。

若い時に、どんなに愛していても、知能程度が完全に赤ん坊の様に
成ってしまった妻を、魂の抜けた張りぼての様に思うと、空しさだけが
空回りしそうだ。

「アイリス」では、イギリスで「最も素晴らしい女性」と賞賛された作家、
哲学者のアイリス・マードックがモデルであり、夫が世話をしながら、
若い時を見せてくれる。
何をしても輝いている光の中で、元気に暮らしていたのに、老後の
アルツハイマーの後は、光がない。

「きみに読む物語」では、やはり若い日の輝きが、老後は静かな愛に変わり、
「今、愛している!」と言う感情よりも、「愛していた人だから、愛していたい」
と言う次元に変わっている。

「私の頭の中の消しゴム」は、若年性アルツハイマーの話で、これは、
2作よりも深刻だった。
まだ、20代でアルツハイマーになってしまった新妻は、一番悲劇的で、
夫が一番可哀想だった。しかし、何年もすれば、また新しい恋が訪れるだろう。

昔観た、羽田澄子監督の「痴呆性老人の世界」は、面白くて為になったし、
これが現実なのだと思えた。
赤ん坊に生まれて、赤ん坊に帰る!
そんな風な人間の流れを見ると、愛は不可欠なんだ!と思う。

私には、今、この人が死んだら、私は生きていけない!
と思わせてくれる人がいる。

恋人ではなく、遠い存在の人間ではあるのだけれど、そう思わずにはいられない。
もしも、その人が歳をとり、アルツハイマーになったら、「死んだ!」と思って
諦めたい。遠い存在なのだから世話をする事もないだろう。


脳みそが生きている間だけ、人生なのだと、思わせてくれた4作だった。
それにしても、自分が老いるまでに、身の回りの整理、整頓をしておく必要
を感じている。

私は余り感情に流される事がないので、現実的にしか受け取れない。
熱い思いは、熱い現実を作り続けるのは無理なようで、静かな現実だけを
見つめる事になるようだ。(ちょっと、抽象的な文でした)




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by sea1900 | 2005-10-29 17:48 | 映画