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海の上のピアニスト

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トンは床を舐め続けた




トンは床を舐め続けた_d0063550_1524751.jpg
若い時には、完全なる美形だったトンも、今や16歳 になった。
顔にも白い物が多く、眼は白内障で真っ白、足腰はまだ丈夫だけれど、
随分と老犬になった物だ。

ここ何年かは、床を嘗め回している。
元々、大食感なので、床に味を感じるのだろうか?

この症状は、ボケの一種で、トンは、すでに痴呆症になっている。
こうして、このリビングの床には、フロアークッションが
敷き詰められているのだけど、いつも舐めるから、きれいになっている。


このトンはミニチュアダックスのスムース(毛が短い)で、
私が10年位前に、引取った犬だった。
知人の犬の訓練士が、理由は知らないけれど、飼えなくなった人から
引取り、飼っていた犬で、その訓練士が引越しをする事になり、
私が引取ったのだった。

だから、子供時代のトンを知らない。
可愛かったんだろうと思うと、知らないのが悔しい。

母が、トンのシーズン(生理)を嫌がったので、避妊手術を受けた。
で、獣医もびっくりのが、2回出産させたと聞いていたのだが、
その帝王切開の手術の跡だった。
子宮が、黒い木綿糸で縫われていて、これだけでもびっくりだが
更に、そのきりはしが少し長くて、腸に癒着していたのだった。

なんて事した獣医だろうか?
結果として、この避妊手術は良かったのだ。
見えない部分を確かめられて、ほっとした。

こうして、元気に暮らしているトンを見ると、
犬にとっては、飼い主が変わっても、自分を大切にしてくれる人が
一番良いという事だ。
私も、トンには平和や穏やかさを、たくさん教わった。


平凡な暮らしの中で、学ぶ事はたくさんあって、
犬達から教えてもらえる事は、人間同士の関係にも及んでいる。

私の家には、チワワが12匹、トン、それに病気のパグが2匹、
全盲のパグが一匹暮らしている。

最初は、0歳児の保育園、そして小学校、中学校、高校、大学。
やっと大人になって、一人前になり、
やがては、老人ホーム。
私は、しっかりお世話しますぞ!
私の職種は、産婦人科の医師、産婆さん、保育士、学校の教師。
そして、痴呆症の老人の介護士。

色々経験できます。経験させて下さい!
可愛い貴方達の為に、私の為に。
共に生きるって、こういう事。
ただ、普通の生活がここにはある。



さっき、ephaさんのご紹介による、クドリャフカ を読んでいたら、
涙がトンの背中に落ちていった。

それでも、トンは何事もなかったように、床を舐め続けている。


→クドリャフカを読んでくださった方は、クリックおねがいします。
by sea1900 | 2005-10-11 15:08 | 住まい

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