「王は踊る」
金色のフルートの話から、ピッカピカの金色を思い出して、
この映画が私にTBしてきた。
1643年、ルイ14世(エミル・タルディング)は5歳にしてフランス国王になる。だが14歳になった今も政治の実権を握っているのは、母のアンヌ(コレット・エマニュエル)と宰相マザラン(セルジュ・フイヤール)で、ルイに与えられた権利はギターとダンスだけだった。その頃、イタリアからやって来た音楽家にして舞踏家のリュリ(ボリス・テラル)と出会ったルイは、彼の振り付けたダンスによって太陽王のイメージを人々に知らしめていく。そして1661年、ルイ(ブノワ・マジメル)が22歳の時、マザランが死去。全権を握ることになったルイは、まず王立舞踏アカデミーの設立を命じ、フランスの改革をはじめる。スペインの王女マリ=テレーズ(ヴェロニク・マイユ)と略結婚したルイは、リュリにもマドレーヌ(セシール・ボワ)という娘との結婚を命じる。しかしリュリは実は男色家で、ルイを密かに愛していた。一方、どんどん権力を増していくルイは、作家モリエール(チェッキー・カリョ)の活動を支援したり芸術活動に力を入れていくが、やがて母が死の床につき、名実ともに国を支配する立場になると、芸術に対する興味が失せてしまう。1687年、リュリは怪我がもとで足を切断する必要に迫られるが、王と踊った足は切れないと手術を拒否、そのまま息を引き取るのだった。
(あらすじは自分でまとめるよりも、お手本となるプロが
書いてくれている物をコピーです。
こうして、私のがんばり過ぎないblogの出来上がりです。)
原題は「Le Roi Danse」
2000年、ベルギー・フランス・ドイツ映画
17世紀、フランス,ルイ14世時代、国王の為に3000曲もの
音楽を捧げたイタリア出身のリュリと、太陽王と呼ばれた
ルイ14世との愛や確執を描いた作品で、リュリは王が美しく偉大に
見えるように世界を照らす太陽の如く、輝くようにとせっせと曲を作る。
そして、死ぬまで音楽で王を称え続ける姿には、日本の武士精神を重ねた。
愛するって、こうしてそのエネルギーを放出できるのだ!
映画「アマデウス」では、モーツアルトとサリエリを初めとする
イタリア人が当時の音楽先進国だったようだ。
結婚しても、女よりも遥かに王が好きで成らないリュリ。
全身に金粉を塗って踊るルイ14世は、ピッカピカで、まぶしくて、
皮膚呼吸はどうなっていたのだろうか?
リュリ?歴史にうずまった人物、歴史の秘められた出来事を、大胆に
美しく、映像化するジュラール・コルビオは完全なる得意分野を持つ
職人的な監督で、歴史を面白く開いてくれた。
「カストラート」は、イタリアの歌、そしてここでは、
フランスのダンスを取り上げて、それぞれの違いを語っている。
リュリは言う。
「・・・・陛下の様な本当の男性が歌います。・・・・」
本当の男性?イタリアとフランスの価値観の違いを言っている。
当時のバレエは近代のそれとは違って、高い跳躍も
高度な回転もなくて、華麗なステップはリズミカルで上品な物。
すぐに、真似できそうだ。(笑い)
当時の踊りは、両腕を常に持ち上げて踊るが、これは、衣装の袖口の
フリルをきれいに見せる為だったという事だ。
バロックダンスとコスプレ映画の合体がお見事で、私は大好きだけれど
好き嫌いがはっきりと分かれる作品だろう。
ラストのヴェルサイユ宮殿は美しい。
バロック音楽・・・・・暫く聞いていないけれど、勿論好き。
しかし、ヨーロッパの歴史物はス・ゴ・イ!
実は歴史しかないような所も、あったりして・・・・
手術(ガンだと思ったけれど)を受ける王太后のうめき声が、
300年以上前の現実を、まざまざと見せてくれたようで、
昔に生まれなくて、本当に感謝するのみだった。
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