『キャリントン』
エマ・トンプソン演じるキャリントンは、20C初めに、実在した女流画家。
キャリントンは、画家としては、作品が大きく評価されていて、注目されていた。
短髪で、パンツをはく女。
エマ・トンプソンはこのキャリントンを見事に演じていて、
似ている!と評価されたようだ。
彼女が好きな男、リットンは有能な作家だったが、
外見は冴えない中年男で、同性愛者だった。
キャリントンは、女として愛される事も無いと理解しながらも、
ひたすら、リットンを愛する。
リットンは、レイフと言う男を愛する。
ガ、レイフはキャリントンにプロポーズする。
彼女は、リットンの為にレイフと結婚する。
勿論、上手く暮らせるはずがない。
キャリントンはリットンへの当て付けをする。
次々とステキな男と恋をして、SEXを続けていく。
こうする事で、自分を痛めつけるのだった。
自分を受け入れられないリットンから離れないのだ。
そして、病死した彼の後を追って、彼女は自殺するのだった。
一途な想い・・・・それが満たされると、こんなに幸せな事は無いと想い、
それが、満たされないと、地獄と化す。
始まりがあって、終わりもある。
愛する事で、自分を表現するしかなかったのだ。
普通の女では、キャリントンのようには、出来ないだろう。
愛したいし、愛されたい!
そう想うのが、普通だろう。
若い人同士の恋愛なら、その先には、
結婚という恋愛とは別の現実社会が、ある。
それは、楽しいかもしれないが、ときめく恋とは、さよならする事でもある。
安心できる愛を手に入れる事は、ときめく心を失わせる。
その点で、同性愛や、不倫などは、ときめく心が続くのだろう。
しかし、どこかで、この愛が永遠に続く事を、また、想うだろう。
私は本当に好きな人とは、遠くで見る方が良いと想っている。
自分がその人に、影響を与えないで、じっと、何もしないで愛していたい。
とずうっと想っている。それが私の恋の理想なのだ。
その点では、彼女の一途な愛が解るのだが、
心の中の葛藤は、半端ではない事は想像できる。
しかし、リットンは私の好みではなくて、ただのおっさんだ。
そこが、しらける処でもあった。
エマが存在感溢れる演技で、心の中の闇の部分を持ったキャリントンに、
なりきっていてとにかく素晴らしい。
スラッと伸びた手足の先にも、リットンへの愛を感じる。
なんて書くと、ちょっとオーバーだけど・・・・
元々、エマ・トンプソンが好きだったので、観た映画だった。
映画の中では、彼女の絵を見ることがなかったが、
右の絵は、キャリントンが絵を書いているシーンなので、
風景画が多かったのだろうか?
私は、ネットで探したが、ドーラ・キャリントンではなくて、
レオノーラ・キャリントンの童話の様な絵しかなかった。
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