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海の上のピアニスト

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 『 モンスター』





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ストーリー
1986年。売春婦アイリーン(シャーリーズ・セロン)は、バーで同性愛者の少女セルビー(クリスティーナ・リッチ)に出会う。セルビーの純粋さに心を開くアイリーン。二人で生活することを考え、路上で客引きをするが、そとき男から暴力を受けたアイリーンは相手を銃で射殺してしまう。クルマを奪い、セルビーを連れて逃げ出すが…。2002年に死刑が執行された連続殺人犯の物語。

実際のアイリーン。ウォーノス(ウォルノス)の経歴を調べてみた。
・母は15歳で、アイリーンを出産した時、すでに、離婚しており、育児放棄をしていた。
・父は精神障害者で、少女に猥褻行為を繰返す。
・彼女を引き取った祖父母から、虐待を受ける。
・実兄と近親相姦の関係になり、14歳で男の子を出産している。
・2002年、46歳で死刑になる。
  レイプの被害で、何度も入院する。
  骨盤を折られ、捨てられた事もある。
  過去に数回の自殺未遂歴がある。
アイリーンは、映画『 テルマ&ルイーズ』のモデルになっている。

アイリーンの人生をドラマ化したら、さぞかし永いドラマチックな物になると思うが、
映画では、セルビーとのラブストーリーと言う形に仕上がっていた。
この映画の監督は、パティ・ジェンキンスと言う女性であり、女性から見たアイリーンを描いている。
撮影期間は、28日間で、短期間で作られた映画だった。
セルビーを、名女優、怪優のクリスティーナ・リッチが演じ、自分の殻にこもり、望みどうりの生き方が出来ずにいる複雑な内面を、見事に表現している。
 夢も希望も失ってしまった状況の中で、ある種の失望感を救ってくれるかも知れないアイリーンに救いを求める。
 セルビーは、少しずつ、自立して行く。
この過程を表現するクリスチィーナの見事な演技は、何と言っても素晴らしい!
演技にのめり込んでいる彼女を見ると、作品毎に違う顔を見せる事の出来る芸域の広さを感じる。
正に、大女優なのだ。
アイリーンは、いつも生きる事に必死で、強がっている。
セルビーの存在は、一筋の光だった。
アイリーンは、過酷な人生の中でも、自分にもいつか幸せが訪れると信じている。
強靭な意志の強さだ。
一時でも、弱音を吐いたり、嘆いても仕方ない事が解っている。
強さと脆さをあわせ持っている。
第一の殺人の事がトラウマとなり、連続殺人鬼となるが、友人のトムが、全てを察知する表情も
見ごたえがある。
ベトナム帰りという設定で、心に傷を深く持っているので、アイリーンには優しい。
人を簡単に『モンスター』と呼べるのか?
アイリーンは『モンスター』だったのか?
この映画は、コールガールを正当化して見せるB級映画ではない。

殺人が多く、暴力がはびこっている現在、戦争では、殺戮が繰返される。
アイリーンは冷静に自分の行動を捉えている。
そう考えると、彼女はモンスターとは言えない!
この映画は、夢を追い求めていた女性が、殺人へと駆り立てられる経緯を描いた物だ。
そして、ラストはガールF.の裏切りで、全ての幕が下りる。
ガールF.の裏切りに気付いた時に、この愛のために自白する道を選んだ。
そして、アイリーンが、この裏切りに心から許せた事が,この話を素晴らしいラブ・ストーリーにしている。
アイリーン役のシャーリーズ・セロンは、いつも美人のままの役だったのに、体重を13KGも増やして、入れ歯とメーキャップ、男物のタンクトップにGパンで臨んでいる。

アイリーンの死刑が執行される前夜、アイリーンが投獄されていた12年間の手記を彼女が,提供してくれる事になり、監督とシャーリーズは2人で、とんで行き、目を通したそうだ。

アイリーンの行った殺人は悪いが、複雑な気持ちになる映画だった。
人生に於ける不平等さもあり、アイリーンの過酷な生涯に、共感は出来た。
女性としては、可哀想な人生で、自分一人ではどうにもならなかったのだと思う。

私は、この作品が男の監督だったら、駄作になったと確信した。





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by sea1900 | 2005-07-31 18:05 | 映画